「調理師になりたいけど、どうすれば免許が取れるの？」
「できれば最短で資格を取りたい」
そんな方に向けて、この記事では調理師免許の取り方をわかりやすく解説します。
調理師免許には2つの取得ルートがあります。
厚生労働大臣の指定を受けた「調理師養成施設」を卒業して取得する方法と、「調理師試験」に合格して取得する方法です。
最短ルートや費用の目安、社会人が利用できる給付金まで、丁寧にご説明します。
調理師免許取得の2つのルート【まずは全体像を押さえよう】
調理師免許は、調理師養成施設を卒業して取得する方法と、調理師試験に合格して取得する方法の2通りがあります。
ここでは、それぞれの特徴とメリットを整理しておきましょう。
養成施設（専門学校・短期課程）で取得する方法とは
もっとも一般的なのが、調理師養成施設（専門学校）を卒業して免許を取得する方法です。
このルートでは国家試験を受ける必要がなく、卒業と同時に調理師免許を申請できます。
学校には「1年課程」「2年課程」「夜間課程」などがあり、どの課程も厚生労働大臣が指定したカリキュラムを修了することで卒業資格が得られます。
実習中心のカリキュラムなので、現場で即戦力として働けるスキルが身につくのも魅力です。
調理師試験で取得する方法とは（業務経験ルート）
もう一つのルートが、調理師試験に合格して取得する方法です。
こちらは都道府県が実施する筆記試験に合格する必要があります。
ただし受験には条件があり、調理業務に2年以上従事していることが必要です。
たとえば、飲食店や給食施設などでの勤務経験が対象になります。
アルバイトでも、勤務時間・日数によっては認められる場合もあります。
| 取得ルート | 期間の目安 | 学費・費用 | 難易度 | 特徴 |
|---|---|---|---|---|
| 養成施設（学校卒業） | 1〜2年 | 約120万〜250万円 | やや易しい | 実習が多く、卒業と同時に免許申請可 |
| 試験ルート（実務経験） | 約2年の調理実務＋試験準備 | 数万円（受験料＋教材費） | やや難しい | 独学・経験重視、筆記試験あり |
最短で取る方法は？「1年課程」を選ぶ場合の条件と注意点
最短で調理師免許を取るなら、1年課程の調理師養成施設が最短ルートです。
ただし、誰でも入学できるわけではなく、いくつかの注意点があります。
1年制のメリット・デメリット
メリット
- 卒業までが早く、最短で調理師免許を取得できる
- 就職も1年早くスタートできる
- 集中実習で実践的なスキルが身につく
デメリット
- 授業時間が多く、働きながら通うのは難しい
- 学費は年間で一括払いのケースが多い
- 学びのスピードが速く、予習・復習が欠かせない
入学〜卒業までの流れ（1年課程）
- 4月入学：包丁の扱い方や衛生管理など基礎技術を学ぶ
- 夏〜秋：日本料理・西洋料理・中国料理などの各調理実習
- 冬：卒業実習・校内試験
- 翌年3月：卒業 → 各自治体を通して調理師免許を申請
調理師試験（都道府県実施） — 試験内容と受験の手順
調理師試験は、都道府県が毎年1回実施する筆記試験のみです。
学科内容は、学校で学ぶ科目とほぼ同じです。
試験科目と合格率
出題科目は次の6科目です。
- 公衆衛生学
- 食品学
- 栄養学
- 食品衛生学
- 調理理論
- 食文化概論
合格率はおおむね60〜70％前後です。
独学でも合格可能ですが、過去問題を繰り返し解くことが重要です。
受験資格と証明書類の提出
受験するには、調理業務に2年以上従事していることが必要です。
勤務先の事業主に「調理業務従事証明書」を書いてもらい、願書に添付します。
提出先は、受験する都道府県の保健所または試験事務局です。
勤務証明はアルバイトやパートでも認められる場合があり、就業日数や時間を正確に記入してもらうことが大切です。
試験申し込みから免許申請までの流れ
- 各都道府県で試験要項を確認（例：東京都は7月頃に発表）
- 願書と証明書を提出
- 筆記試験を受験（8〜10月頃）
- 合格発表（約1か月後）
- 合格者は保健所で調理師免許を申請
学費と費用目安（学校別・課程別）
調理師養成施設の学費は、学校によって差があります。
おおまかな目安は次のとおりです。
| 課程 | 修業年限 | 学費（概算） | 特徴 |
|---|---|---|---|
| 昼間課程（1年制） | 1年 | 約120〜180万円 | 最短で資格取得が可能 |
| 昼間課程（2年制） | 2年 | 約200〜250万円 | 時間をかけてじっくり学ぶ |
| 夜間課程 | 2年 | 約150万円前後 | 働きながら通学できる |
教育訓練給付金・奨学金の活用
社会人が再進学する場合、「専門実践教育訓練給付金」を利用できる学校もあります。
最大で学費の50〜70％が支給される制度です。
また、日本学生支援機構の奨学金や、各自治体の支援金制度も併用できます。
出願前に、学校の事務局で必ず対象コースか確認しておきましょう。
専門学校（養成施設）の選び方【就職・実習・設備をチェック】
調理師養成施設は全国に多数あります。
学校を選ぶ際は、「指定校」であることをまず確認しましょう。
**全国調理師養成施設協会（JATCC）**の公式サイトには、都道府県別の一覧が掲載されています。
＞＞＞調理師養成施設を探す（JATCC公式）
チェックポイント5つ
- 国家試験免除の「指定校」かどうか
- 実習時間が十分に確保されているか
- 設備・調理器具が現場レベルか
- 就職率・求人企業の実績
- オープンキャンパスでの先生・在校生の雰囲気
よくある質問（FAQ）
Q：調理師免許は独学で取れますか？
→ 試験ルートであれば可能ですが、受験資格に「2年以上の調理業務経験」が必要です。
Q：アルバイトでも受験資格になりますか？
→ 週4〜5日勤務で2年以上あれば、多くの自治体で認められます。勤務証明書を正確に記載してもらいましょう。
Q：調理師免許を取ると開業できますか？
→ 飲食店を開くには「食品衛生責任者」の資格も必要です。自治体の講習会で取得できます。
まとめ：自分に合ったルートで、着実に資格を取得しよう
調理師免許を取るには、
- 学校を卒業して取得する「養成施設ルート」
- 実務経験を積んで試験に合格する「試験ルート」
の2つがあります。
最短で取得したいなら、1年課程の専門学校が王道。
働きながら目指すなら、夜間課程や給付金制度の活用が有効です。
焦らず、自分のペースで調理の道を進めていきましょう。
あなたの手で、おいしい料理を通して笑顔を届ける日がきっと来ます。
